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危険な盛土は全国に657ヵ所、福岡は？

盛土-イメージ

静岡県熱海市の土石流災害から2年、その間、全国では危険な盛土の調査が行われました。
3万6226ヵ所で調査が行われた結果、全国には657ヵ所の危険盛土があることが判明しています。
福岡県においても、その数は60ヵ所に及んでいます。
今回の記事では、危険な盛土に関して基礎知識を交えながらご紹介します。

出典：日経XTECH　全国657ヵ所で災害の恐れ、危険な盛土に「隙間のない規制」を（https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/01174/）
出典：日本経済新聞　福岡県、盛り土調査で60ヵ所が是正必要（https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC226O10S2A320C2000000/）

盛土とは

土地の形を整えたり、高さを変えたりするために土を盛ることを盛土と言います。
また盛土規制後（盛土規制については後述）の現在は、単に土砂を積み上げるだけ（堆積）も盛土として扱われることがあります。
専門用語としての読み方は「もりど」ですが、「もりつち」でも間違いではありません。

盛土のデメリット

不揃いの土地を整えたり、低い土地の高さを上げるために盛土が行われますが、デメリットもあります。
そのデメリットとは、盛土部分は崩れやすかったり、沈下しやすいことです。
もともと土地にある土は、長い時間を経て安定しています。
しかし、盛土をした部分は安定するまで時間がかかることが多く、場合によっては何十年か後に崩壊することもあります。

熱海の事故も盛土が原因とみられています

2021年7月に起きた熱海の土石流も、逢初川（あいぞめがわ）上流の盛土崩壊が原因とみられています。
崩壊後に残った残土も2023年現在、撤去が完了しています。
また熱海の事故を受けて、全国の盛土の総点検が行われたほか、宅地造成等規制法が改正されて盛土規制法になりました。

出典：NHK　熱海土石流～強まる”人災”の側面（https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/452411.html）
出典：TBS　熱海土石流起点の”盛り土撤去”行政代執行完了（https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/684079）

盛土規制法とは

宅地造成等規制法から宅地造成及び特定盛土規制法（通称「盛土規制法」）になり、より範囲が広く厳格な規制となりました。

主な改正点は、下記のようなものがあります。
・市街地から離れているエリアも「特定盛土等規制区域」として規制エリアに指定できるように
・土捨てや一時堆積も規制対象に
・工事中の定期報告、中間検査の新設
・所有者だけでなく原因行為者（工事施工者や元所有者など）など責任範囲の拡大
・違反した際の罰則の上限の強化
詳しくは「国土交通省　盛土規制法について（https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html）」をご覧ください。

よりスキマのない規制がなされたことや全国の盛土の総点検により、危険盛土が徐々に改善されていくことが期待されます。

危険な盛土の調べ方

ここまでお読みの方は、自分の住んでいる場所や住もうとしている場所が危険な盛土があるエリアなのかどうか不安に思われることがあるかもしれません。
なにしろ全国に657ヵ所、福岡県だけでも60ヵ所もあります。自分たちの近くにあったとしても不思議ではありません。
しかし、残念ながら総点検の際に見つかった全国657ヵ所（うち福岡県60ヵ所）の場所は公表されていません。

大規模盛土-静岡県熱海市-崩落箇所