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建物の事故に備える方法
物件を貸し出す場合、事故を防止するための定期点検が欠かせません。
外壁の落下や建物の倒壊などで人が巻き込まれるかもしれないからです。
しかし、定期点検をしていても起こってしまった事故は全国に何件もあります。
ではそういった不慮の事故に備えることはできないのでしょうか。今回の記事では、不動産を貸し出す際の不慮の事故に備える方法をご紹介いたします。
どういった事故が起きているのか
建物老朽化で発生した山口県の建物倒壊は記憶に新しいです。
また、数年前には東京で施工不良による、階段の崩落も起きています。
前述の外壁の落下や看板の落下などは毎年ニュースになるほど発生しています。
点検をしっかりしていれば建物の所有者に責任はないのか
もし施工会社による施工不良の場合や、点検をしっかり行っていた場合、建物の所有者は責任を免れるのでしょうか。
民法によると、被害の発生を防止するのに必要な注意をしていた場合は占有者(賃借人など)は責任を免れるのに対し、所有者は責任を負わなければならないと規定されています。
これは点検を怠っていなくとも、そして施工会社の施工不良の場合も所有者は賠償責任を免れません。
ただし、施工不良の場合など損害の原因が別にある場合は、事故の原因を作った施工会社に求償することができるようになっています。
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
~中略~
3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。出典:e-gov 法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)
建物の事故に備える「施設賠償責任保険」とは
では、建物の事故に備える方法を実際にご紹介します。それは「施設賠償責任保険」です。
「施設賠償責任保険」は所有する建物や、建物に付属する設備に不備や欠陥があり事故が発生した場合に備える保険です。
建物に付属する設備も対象なので看板などの事故も補償されます。
また、火災保険などに比べると低コストな保険料で加入できるのが特徴です。
火災保険とセット加入できる施設賠償責任保険もあり、セット加入の場合は、個別に加入する場合と比べて更新や管理の手間が煩雑になりません。
まとめ
物件を貸し出す場合、点検をしっかり行っていても思わぬ事故が発生することがあります。
「施設賠償責任保険」はそのような事故に備えることができます。