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賃貸住宅でも省エネ(断熱)性能の表示が始まります

断熱-イメージ

 

2024年4月から「建築物の省エネ性能表示制度」が始まります。
この制度では、住宅の販売や賃貸の際に断熱性能を含めた省エネ性能の表示が必要となります。
これまでの賃貸住宅では断熱性能はあまり注目されていませんでした。
そのためポータルサイトではあまり断熱性能について書かれておらず、実際に内覧へ行ってはじめて高断熱住宅だと分かることもありました。
今回の記事では、そんな状況が変わるかもしれない「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」についてご紹介します。

 

なぜ改正されるのか

 

現在、カーボンニュートラルの達成が世界的な潮流になっています。
ここ日本でも例外ではなく、2050年のカーボンニュートラル達成に向けての取組が始まっています。
特に建築物は国内のエネルギー消費量の約3割を占める(国土交通省)とされており、前述のカーボンニュートラル達の目標を達成するために建築物分野での取り組みが急務です。
そのため住宅を含む建築物の省エネ性能向上を促進するため今回の改正が行われました。

 

出典:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_tk4_000103.html#cont2)

 

改正でどう変わるのか

 

出典:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/shoene-label/)

 

2024年4月から不動産の販売・賃貸の際に省エネ性能の表示が必要となります。
表示の対象は2024年4月1日以降に建築確認申請を行った建物です。

性能の表示は上記のラベル画像を用いて行われます。

ラベルの記載項目は3種類あり、それぞれ建物の種類(住宅or非住宅or複合)、評価方法(自己評価or第三者評価)、再生エネルギー設備の有無となっています。

 

影響は

 

しばらくの間は、表示対象の建物が少ないため影響も小さいかもしれません。
しかし時間とともに新築、建て替えが進むことで、徐々に表示対象の建物が増えて影響が増してくると考えられます。

 

特に販売、賃貸時に省エネ性能(断熱性能含む)が分かりやすく表示されることで、今まで高断熱住宅を探すのに苦労していた層が探しやすくなります。
またこれまで断熱を気にしていなかった消費者層も、お部屋探しの際に断熱性について目にする機会が多くなり志向が変わる可能性があります。
また貸主も省エネ性能や断熱性能をアピールできるようになるため、家賃アップや空室リスク低下につながるなどのメリットがあります。

 

出典:スーモジャーナル 横浜市建築局の調査資料より(https://suumo.jp/journal/2023/09/28/198250/)

 

実際に横浜市の調査においても、高断熱住宅では通常の住宅と比較して家賃の値上げの許容や住み続けたいとの回答が多くみられています。

 

性能表示だけでなく断熱化も義務化されます

 

省エネ性能の表示の一年後には、新築建物の省エネ基準適合(断熱化)が義務化となる予定です。
新しい制度では断熱等級4が最低基準となり、これまでの断熱等級1~3は建築不可となります。
またそれに合わせて、断熱等級6と7が新設されます。

 

出典:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001460573.pdf)

 

表示だけでなく断熱化が義務化されることで、今後は断熱性能のある建物が標準となります。
この改正が進むことで断熱性能に関しても、徐々に新耐震基準と旧耐震基準のような関係になると考えられます。

 

まとめ

 

2024年4月より不動産における省エネ性能(断熱性能含む)の表示がはじまります。
これまで不動産賃貸では重要視されていなかった断熱性能ですが、表示がはじまることでその流れが変わる可能性があります。
また断熱化も義務化されますので、流通と供給の両面から断熱化が進んでいきます。

 

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