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なぜスマートロックは賃貸経営に向かないのか

スマートロック-イメージ

 

拡張性の高いスマートフォンの台頭、そして回線の低コスト・低遅延化を背景に家電等のオンライン化が増えています。
そのような時代の流れからインターネットにつながる家電の種類はどんどん増えており、その中のひとつに家の鍵(スマートロック)もあります。

利便性の高さから個人でスマートロックを導入している方も増えてきています。しかし、賃貸経営の設備投資に限っていえば、実はスマートロックは向いていません。
今回の記事では、なぜスマートロックが賃貸経営の設備投資に向かないのかを紹介します。

 

スマートロックとは

 

家の鍵を家電化したものです。
スマホと連携できるスマートロックも多く、遠隔地からの開錠や近づくだけで開錠してくれる機能などがあります。

 

スマートロックのメリット

 

まず一つ目のメリットは、スマートフォンを鍵代わりにできるため、鍵を持ちあるく必要がなくなることがあげられます。
次に遠隔地から開錠できる機能や、一時的な鍵を発行して人に送る機能があり、来客を迎えるのに便利です。
また遠隔地から施錠・開錠できる機能は来客だけでなく、賃貸経営においても内覧の鍵を貸し借りする手間や、鍵を破損紛失するリスクをなくすことができます。

 

スマートロックのデメリット

 

スマートロックのデメリットの一つは、スマートロック自体やスマートフォンの電池切れに弱いことです。
電池の問題は、スマートフォンを2台持ちにしたり、スマートウォッチを鍵に使う、スマートロックの電池交換を早めに行うなどで対応可能です。
その他に利用者のほうではどうにもならない問題もあります、たとえば携帯キャリアの通信障害や、スマートロック自体の障害・故障などです。
実際に昨年2022年には、複数の携帯キャリアで長時間の通信障害が発生していますし、2021年には大手スマートロックメーカーにて6日間の障害が発生しています。

サムターンに取り付けるスマートロックの場合は、今まで通り物理的な鍵も使用できるため、本物の鍵を使えばスマートロックが使えなくなる全般の問題に対処できます。
しかし、もし鍵を日常的に持ち歩くのであれば、そもそもスマートロックの意味があまりないという考え方もあります。

 

スマートロックがなぜ賃貸経営の設備投資に不向きなのか

 

前述のように、利用者側に原因がなくとも締め出されるリスクがあること、そして部品供給やシステムの終了のリスクが高いことがあげられます。
2023年、スマートロックのQrio Smart Lock(Q-SL1)のサービス終了が発表されました。
今回のサービス終了は製品の最終出荷から5年経過したためとなっていますが、美和ロックやゴールの加入している日本ロック工業会では一般錠10年・電気錠7年となっています。
スマートロックのサービス終了によって即日使えなくなることはないようですが、今後新しいスマートフォンの登録などができなくなり、遠隔施錠・開錠もできなくなるようです。

物理鍵であれば破損しなければ使えなくなることはありませんし、部品の流通期間も長めになっています。内覧対応もキーボックスで行えるため、やはり当面は物理鍵が良いのではないでしょうか。

 

しかし、すべてのスマートロックが向いていない訳ではありません

 

今回サービス終了したスマートロックにおいてもサーバーを介さない、Bluetoothによる短距離無線通信の施錠開錠は当面機能する予定です。
なので、「遠隔施錠・開錠」以外にサーバーを介さない製品であれば、サービス終了の影響は少なくなります。
ただし、どのような設計になっているかは購入者から分かりにくく、判断は困難と言えます。
そのため、現時点で購入者側でできることは、短距離無線通信のみの機能を持ったICカードや非接触キーを使ったスマートロックを選択することです。

 

まとめ

 

スマートロックはサービス終了により、使えなくなるリスクがあるため設備投資には向いていないことをご紹介しました。

また、利用者側ではどうしようもない障害により締め出されるリスクもあります。

そのため、賃貸物件では今まで通り物理鍵を使うか、どうしてもスマートロックが良い場合は外部環境に影響されないスマートロックを選択する必要があります。

 

 

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